http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/120624/wec12062421000005-n1.htm
(5完)原発オプションは捨てず ドイツ「脱原発」のしたたかさ


東京電力福島第1原発事故などをきっかけに、脱原発を決めたドイツとイタリア。日本でも脱原発依存の動きが進むが、両国と日本ではエネルギーを取り巻く環境が全く異なる。日本は島国のため電力の輸出入ができないのに対し、欧州は各国間で電力を融通できる送電網が存在するためだ。

 ドイツは昨年7月、原発17基を2022年度末までに全廃することを決定。再生可能エネルギーの割合を2050年に80%まで引き上げる目標を掲げるが、これが不調でも、フランスから電力を買って不足分を補うことができる仕組みが出来上がっている。

 イタリアはもともと原発依存度が低く、火力発電に頼っているが、不足が生じれば、ドイツ同様にフランスから輸入することができる。つまり、両国とも脱原発を掲げているものの、他国の原発に依存する状況に変わりはない。

 脱原発を本気で目指す方針でも、そのハードルは大きい。とくにドイツは核廃棄物の最終処分場問題、原発による安定・安価な電力供給がなくなることによる産業界のダメージなど、日本と共通した悩みを抱えている。脱原発へと舵を切ったドイツだが、「いつでも方向転換できるように原発の研究を続けるしたたかさを持つ」(原子力工学研究者)との指摘もある。